2008年2月21日(金)にアピオ大阪で開催された「カレーパウダーを作ろう!!」の様子をお伝えします。
カレーパウダーに使われる様々なスパイスの効能やブレンド方法について教えて頂きました。

 人類は、文字を持つ前からスパイスを使っていたと言われています。
 今では日本の国民食とも言うべきカレーが日本に根付いていったのは、明治の鹿鳴館時代からです。この時代のカレーはインドを植民地としていたイギリス経由で伝わったもので、カレーパウダーは当時薬として用いていた、ターメリック、クローブ等をブレンドしたものでした。
 知っていそうで知らないカレーパウダーの中身。
 今回は山本真理先生から、カレーパウダーの基本について教えて頂きました。
 

ターメリック(Curcuma longa)
カレー粉の主原料で黄色の色付けに使われ、カレーには欠かせない。
ショウガ科の多年草。豊富に含まれるクルクミンが胆汁の分泌を促して肝機能障害を予防するので、肝機能が強化される。鎮痛、抗酸化作用、殺菌効果があり、皮膚炎の殺菌作用も認められている。漢方では止血効果があるとされている。油によく溶ける性質があり、サフランの代用としても利用され、日本ではたくあん漬けにも使われている。胃弱、かぜ、肝臓障害などの良薬として内服されるほか、外用薬としても、ただれ、はれもの、打撲傷、汗知らず、傷口に効き目があるとされている。外用薬としての使い方は粉末を塗るだけでよい。
 
ジンジャー(Zingiber officinale)
ジンジャーの主な効能としては、食中毒予防、食欲増進、解熱、神経痛の緩和などがある。辛味成分には殺菌能力があるため、肉類(特に豚肉や魚介類)の生臭みをとる効果も備えられていることから中華料理をはじめあらゆる料理に登場する。
 
クミン(Cuminum cyminum)
古代ギリシャ・ローマ時代から栽培されていたセリ科の一年草で、原産は地中海沿岸地方。カレーの主要なスパイスで、種子はキャラウェイに似た香りと辛みを持つ。辛み成分はクミナール。消化促進や解毒作用があり、下痢や腹痛の治療薬、胃腸内にガスが溜まるのを予防する、肝機能を高めるなどの効能がある。
 
カルダモン(Elettaria cardamomum)
スパイスの女王と言われ、インド・マレーシア半島が原産地で、樟脳に似た特有の芳香を持つ。含有するシネオールは防腐作用が高く、強壮効果や消臭効果も期待できる。インドでは食後にカルダモンの粒を噛み、香りのデザートとして利用している。コーヒーや紅茶の香り付けにも多用される。カルダモンの精油は高価。
 
コリアンダー(Coriandrum sativum)
歴史は古く、ツタンカーメンの頃から使われている。プランターなどに植えると繁殖が旺盛で、葉や茎に特有の臭気を持ち、秋に同じような臭気を持つ白こしょうに似た実をつけるセリ科の一年・二年草。この臭気は熟すにつれてレモンの皮とセージを合わせたような香りをかもし出す。消化を助けるため胃薬として利用され、食欲増進作用もある。鎮痛、血液浄化、発汗作用があり、かゆみ止めにも応用される。ピクルスに入れると風味がよくなり、生葉はスープの浮き実に利用される。
 
フェヌグリーク(Trigonella foenum-graecum)
インド、中近東では豆類として食用され、ビタミン、鉄分、ミネラルなどが豊富でベジタリアンの貴重なタンパク源にもなっている。昔から伝統的に怪我、気管支炎、消化器疾患、関節炎、腎臓障害、男性生殖能力再生等の治療に薦められてきた。現在では糖尿病、高コレステロール、高血糖、便秘等に有効であることが判っている。アーモンドオイルなどに混ぜ、頭皮をマッサージすると育毛に効くとも言われている。アーユルヴェーダ料理には欠かせない香辛料(スパイス)の一つである。だまになりやすいので丁寧にほぐすこと。
 
ナツメグ(Myristica fragrans)
消臭効果があるためひき肉料理に利用されることが多く、マイルドな香りを持つニクズク科の常緑樹。原産はモルッカ諸島で、アンズに似た黄色い果実をつける。腸にガスが溜まるのを防ぎ、下痢や腹痛、健胃などに効能がある。食欲改善や不眠症にも効果があり、使う直前に挽くと香りが立つ。防虫剤としても使われている。一度に大量に使用すると麻痺や嘔吐などの症状が出ることがあるので注意が必要。適量は肉1キロに対してナツメグ0.2gといわれている。
 
クローブ(Syzygium aramaticum)
和名は丁子(チョウジ)。バニラに似た香りを持ち、効能が多く漢方薬として重宝されているフトモモ科の常緑樹。成分のオイゲノールには抗酸化作用があり、老化防止に効果が高い。消化機能の促進、体を温める、健胃、整腸などの効能を持つ。歯痛にも応用されガラムマサラには欠かせないスパイスのひとつ。
 
マスタードシード(Sinapis alba)
インドの菜食料理には頻繁に使われる。よく熱することによって独特の甘さと香ばしさが出てくる。アーユルヴェーダ・インド料理の基本的なスパイスのひとつである。血行を促進し、薬用としては打ち身、胸痛、腰痛、痛風に効くとされる。また、ぬるま湯に溶いて神経痛、肺炎、咳止めの貼り薬としても使われ、ドイツではカオリンと混ぜてパックにし、腰痛、肩こり、リウマチの治療などに使われている。
 
カイエンヌ(Capsicum annuum)
コロンブスが新大陸を発見した時に、スペインに持ち帰ったといわれている。生のチリを乾燥させてすり潰したもので、辛い料理に使用する。味を濃くしないで辛みだけを足す場合に利用する。お湯に溶かして辛い飲み物にすると食欲増進・胃腸の痛みをとり、整理通を緩和させる。湿布はリュウマチや腰痛の緩和にも役立つ。
 
シナモン(Cinnamomum cassia)
シナモンの主成分は桂皮アルデヒド。40度前後でもっとも香りを発散する。砂糖と相性が良く、甘味を引き立たせるんでカレー粉のほかに菓子類にも使用される。循環の流れを促進・調整する働きがあり、風邪の時に発汗剤や去痰剤として使用される。歯痛を鎮め、筋肉の緊張を和らげる働きもある。マッサージをする時は作用が強いので、濃度に気をつける。
 
 カレー粉の決まったレシピはありません。本場のインドでも、各家庭ごとにレシピは違うそうです。従って、自分の好みのスパイスを好きな割合でブレンドして作るとよいでしょう。ただし必ず入るスパイスがあり、ターメリック・コリアンダー・クミンは欠かさない方がいいでしょう。特にターメリックはカレーの重要な香料・着色料となるので入れて下さい(ターメリックなしのカレーはうすい茶色で匂いも薄くなります)また辛さの調節は、カイエンヌ・ジンジャー・ペッパーなどで行います。これらを多く入れるほど辛くなります。ジンジャーやペッパーは風味を変化させながら辛味を増すことができます。たくさんのスパイスでブレンドされたカレー粉は、消化器系の健康維持や代謝UPに大きく役立ってくれるはずです。
 
 
分量(1人分) ターメリック・・・・・・・16g
コリアンダー・・・・・・ 6g
クミン・・・・・・・・・・・・ 5g
マスタードシード・・・ 3g
カルダモン・・・・・・・・ 4g
フェヌグリーク・・・・・ 2g
ナツメグ・・・・・・・・・・ 2g
カイエンヌ・・・・・・・・ 3g
クローブ・・・・・・・・・ 4g
シナモン・・・・・・・・・ 4g
調理の順番 ●何をブレンドする場合でも、最初にターメリックを煎り、次に木質タイプや硬い物、次に種子、最後に香りの強いものをいるようにしましょう。
@ターメリック 弱火で15分くらい(煙が出そうな場合はコンロから離す)
Aクローブ、クミン、カイエンヌ・・・5分
Bフェヌグリーク、マスタードシード、ナツメグ・・・5〜10分
Cコリアンダー、カルダモン、シナモン・・・5分
D@〜Cまでの材料をよく混ぜたら2週間ほど日の当たらない場所に保管して熟成させる。
これ以外のスパイスでも、カレーパウダーに合うスパイスであれば、ブレンドしてもよいでしょう(1種類に付、少量で2g程度)
例)アニス、オレンジピール、ガーリック、セージ、タイム、フェンネル、ブラックペッパー、キャラウエイ、ディルなど
 
セミナーレポート